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R33 GT-R 400R ─ 伝説の一台が繋いだご縁と信頼 後編:ドライアイス洗浄と旅立ちの朝、そして“夢の車庫”へ
車検までを無事に終えた400Rは、最後の仕上げ工程に入った。今回特別に実施したのが、TCSで新たに導入した「ドライアイス洗浄」。
高圧で噴射されるドライアイスが、長年にわたり堆積した汚れや油分を浮かせて吹き飛ばしていく。
下回りやエンジンルームにこびりついた経年の蓄積が、まるで魔法のように消えていく光景に、思わず見入ってしまった。
洗浄後は、手洗い洗車と最終チェック。 細部まで丁寧に仕上げられたボディは、20年以上の時を経てなお、その存在感と美しさを放っていた。
いよいよ、出発の朝を迎える。
陸送車に積み込まれる400Rを見送る瞬間、チーム全員が心のどこかで誇らしさと一抹の寂しさを抱いていた。
そして私自身、この車が買取りで入庫してきたときの衝撃を今でも鮮明に覚えている。
トラックから降ろされたその姿を初めて目にした瞬間、「これが本物の400Rか」と、言葉を失った。あの空気感はいまでも忘れられない。
それからというもの、この400RはTCSにとって、まさに“看板車”のような存在となった。
さまざまなイベントにも一緒に参加してきた。
TCSのオープンイベントの際には、毎回のようにブースの目玉車両として展示され、多くのお客様の視線を集めていた。
「初めて本物を見た」「これはすごい」と興奮気味に話してくださる声が今でも耳に残っている。
だからこそ、出て行くその背中を見たとき、心からの嬉しさと同時に、一つの時代が終わったような、そんな寂しさも確かに感じた。
納車当日。
東海地方にあるM様のご自宅に到着し、ガレージを拝見させていただいた瞬間、思わず変な声が出てしまった。
目の前に並んでいた車両たちは、どれも息を呑むような名車ばかり。
一台一台が大切に管理され、丁寧に保管されていることが空気感から伝わってくる。
お車の詳細は、M様のご希望により公表を控えさせていただくが、クルマ好きの私として「こんなガレージがあるのか…」と心底思わされた。
そして今回、その一角に400Rが加わることとなった。
M様からは、こんなお言葉をいただいた。
「多くの人にとって、スカイラインはもう手の届かない存在になってしまった。特に、まだ手頃だった時代を知っている人にとっては、なおさらそう感じるはずです。
でも私は、かつてロレックスを集めていたこともあり、エンスージアストの世界がどう動いているかを理解しています。
この400Rは、NISMOが本気で造り上げたファクトリーコンプリートカー。もう二度と出てこないかもしれない。
だからこそ、その価値に見合った金額だと納得できました。」
さらに、なぜ私たちトップランクを選んでくださったのか、その理由も語ってくださいました。
「最後の決め手になったのは、Masaさんによる英語での400R紹介動画でした。
動画を通じて車両の状態や詳細がしっかりと伝わり、実車に触れる前から“この会社なら信頼できる”と感じました。」
この言葉を聞いた瞬間、言いようのない喜びがこみ上げてきた。
車を売るという行為を超えて、信頼で結ばれたご縁を実感した瞬間だった。
最後に、私 澤田からM様へ。
この度は、R33 GT-R 400Rという極めて特別な一台をお選びいただき、誠にありがとうございました。
そして初めてのお取引にもかかわらず、ウェブ商談という形式でご決断いただき、私たちを信じてくださったこと、心より感謝申し上げます。
直接お会いすることなく進んだお取引であっても、大きな信頼を寄せていただいたこと。
そのご期待に応えるために、納車まで私たちは全力を尽くしてまいりました。
ご納車の日にM様が見せてくださったあの笑顔は、今もはっきりと記憶に残っています。
私自身もGT-Rオーナーとして、この名車をお届けできたことは、営業としてだけでなく、一人のクルマ好きとしてもとても誇らしい経験でした。
素晴らしいガレージも見せていただき、本当に感動しました。
あの空間に400Rが加わることを想像したとき、自然と「いつか自分もこんな空間をつくりたい」と思いました。
ぜひまたお会いして、クルマ談義をさせてください。
トップランク主催の走行会なども、ぜひご参加いただければ嬉しく思います。
これからも末永いお付き合いを、どうぞよろしくお願いいたします。
この度は本当に、ありがとうございました。